品川?越中島キャンパス腾博会官网9885海洋科学技術研究科
腾博会官网9885海洋科学技術研究科は、博士前期課程と博士後期課程の区分制博士課程とし、先端領域を切り拓く自立した高度専門職業人等を養成します。さらに、国立研究開発法人水産研究?教育機構、国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立研究開発法人海上?港湾?航空技術研究所と連携して、教育研究の一層の充実と腾博会官网9885生の資質向上を図っています。
【受賞?表彰】吉永森羅さん(研究生)と山中琢翔さん(修士2年)が、日本珪藻学会第43回研究集会において最優秀発表賞を受賞しました。
2024年10月19日~10月20日に滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県草津市)で開催された日本珪藻学会第43回研究集会において、本学研究生の吉永森羅さんと腾博会官网9885生の山中琢翔さんが最優秀発表賞をダブル受賞しました。
【受賞者】
吉永 森羅(東京海洋大学 腾博会官网9885海洋科学技術研究科 研究生)
山中 琢翔(東京海洋大学 腾博会官网9885海洋科学技術研究科 博士前期課程2年)
【受賞研究のタイトルと内容】
吉永 森羅
タイトル:ウミクサビケイソウ属 Gomphonemopsis の系統と分類 / poster
海産底生珪藻の一属であるGomphonemopsisの分子系統解析および形態観察を実施した。本邦沿岸より、既存種4種および未記載種3種を見出した。各種の単離培養株を用いて18S rDNA、rbcLおよびpsbCの塩基配列を解析したところ、本属は系統の異なる2つのクレードに分かれた。形態観察の結果をもとにクレード間で比較を行ったところ、主に以下の3つの構造で違いがみられた:(1)殻端に並ぶ胞紋の数、(2)接殻帯片の開放端の位置、(3)第2帯片の足極側末端における胞紋列の有無。タイプ種を含まないクレードは、分子系統樹上でPhaeodactylumの姉妹群となっていたが、両者の類縁性を支持する形態学的特徴が認められなかったため、新属である可能性が示唆された。
山中 琢翔
タイトル:潮間帯における付着珪藻と基質の保水性の関係 / oral
神奈川県横浜市野島公園にて珪藻の垂直分布の調査と、室内実験による乾燥耐性の比較を行った。潮間帯上部のボタンアオサ上では、比較的乾燥に弱く、主に中部や下部に分布する珪藻が優占していることが判明した。ボタンアオサがもつ高い保水性が、これらの珪藻の上部での生育を可能にしたと考えられる。また、実験により、乾燥時の湿度を段階的に低下させると、珪藻は乾燥に馴化し、生存率が向上することが確認された。自然下においても、基質の保水性が急速な乾燥を抑えることで同様の馴化が起こり、長時間の干出でも珪藻は生存可能になると考えられる。
<関連リンク>
日本珪藻学会