講義?ワークショップ等の報告
第7回「高度専門キャリア形成論Ⅰ?Ⅱ」の講義報告です(H26年度)
2014.10.29
平成26年10月23日(木)、腾博会官网9885?白鷹館で、平成26年度第7回高度専門キャリア形成論が開催されました。
? キャリアデザイン講座第3弾
『社会人基礎力をつけよう!』
塩谷?和美 特任教授(東京海洋大学キャリア開発室)
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冒頭に、塩谷先生から「企業は、社会人基礎力を身に付けて社会に出て来ることを期待している。また、就活時期が後倒しになったことで、企業はインターンシップや企業説明会に力を入れ始めており、リクルーターも復活している。就活は、既に始まっていることを知って欲しい。」と話しがありました。
最初に、隣どうしでグループワークが実施されました。
グループ毎に自己紹介の後、『どんな強みを発揮して社会で活躍したいか』および『弱みや不安なところは何か』について話し合い、最後に代表者がグループワークの感想を発表しました。塩谷先生は、「面接でも、自分の強みについて聞かれることがある。2分程度で発表できるように、あらかじめ考えておくことが必要だ」と解説されました。
続いて、スライドを使った講義が始まりました。
社会人基礎力は、『今の学生には、こういう力を付けてほしい』という内容を、経産省が主導して2006年に纏められたと説明がありました。
皆さんは、既に基礎学力とITスキルは十分に身に付けており、専門知識についても正にいま取り組んでいる。しかし、基本的な『人間性、生活習慣』も重要だ。これは、部署が変わっても、また転職しても通用する。
社会人基礎力のなかでも特に、『考え抜く力』と『やり抜く力』は重要だ。また、グローバルに競争する今日では、『チームで働く力』や、様々なストレスにもへこたれない『ストレスコントロール力』も必要になる。
?次に、個人ワークが実施されました。
ワークシートを使って、社会人基礎力の12の要素を自分自身で採点し、レーダーチャートに記入しました。また、記入後は、隣どうしで感想を話し合いました。
引き続き、スライドを使って講義が進められました。
コミュニケーションの円滑化に関しては『ジョハリの窓』が紹介され、また『世代別キャリアデザインのテーマ』についても説明がありました。
20代は、主体性をもって仕事に取り組み、仕事を覚える年代である。30代では、自分の得意な分野で、自己責任とリーダーシップを発揮しなければならない。そして、どの分野でプロになるのかを模索しなければならない年代でもある。先を見ながら、能力開発に取り組むことが大事だ。
身に付けるべき能力水準には、企業と学生の間に意識のギャップがあると述べられ、『企業人事担当者が学生に期待する能力』のグラフを示して、社会に出る前に身に付けておいて欲しい能力についての説明がありました。その際に、面接では自分を正直に出すことが大事であると力説されていました。また、研究プロセスにおいても社会人基礎力が関わっていると説明されました。
ここで、ある海洋研究開発会社の社長の言葉を示して、博士号取得者への期待について紹介がありました。
塩谷先生は、「企業は、広く考えて様々な解決策を提示できる人材を求めており、成長願望を持って入社してほしい」と述べられました。
就職をするなら、東日本大震災の復興や2020年の東京オリンピックを控えている今がチャンスだ。そして、自分の成長願望が叶えられそうな会社を選ぶことが大事だ。自分の強みを活かして売り込み、夢と情熱を持って、最後までやり抜く執念で就活に臨んでほしい。キャリアの選択肢(方向)とは、『求められること、やりたいこと、できること』の三つの輪が重なったところである。
一方で、職業のミスマッチにより、入社後3年以内に1/3が会社を辞めている。従って、インターンシップを利用して、企業で働く体験をするのも良いだろう。長期インターンシップ制度では、PDに対して給料や交通費が支給される。既に、PD8人、DC4人の実績があり、そのうちPD4人は研修先の会社に就職した。
2人の長期インターンシップ事例を紹介し、「質問等があれば、どんな小さなことでも相談に来てほしい」と付け加えられました。
最後に、今後の講義予定を紹介して、本日の講義が締め括られました。
以上